カテゴリー「Alto Sax」の記事

珍しいブリセル(カナセル)アルト 5万5千台 第1期オーナメント

ちょっと空きましたが、今日は珍しい初期マークシックスアルトです。

 

この写真を見てピンときた方は、中々のマニアですね?

 

世の中はフラセルとアメセルの2つで区別されていますが、ロンドン組み立てのフラセル系の楽器はブリセル(昔は京都あたりではロンセルと呼ばれていた)と区別され、それらがカナダでも売られていてカナセルと呼ばれたりしています。

 

ロンドン組み立ての楽器は、彫刻がフランスではなくロンドンでされているため、フラセルと同じ彫刻ですが、なんだか微妙な(へたくそな)感じで見分けがつきます。

 

しばしば、彫刻がフラセルよりも太いと言われ、たまに見かける珍しい楽器です。

 

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この楽器はあまり見ない色なのでリラッカーされていると思います。 第1期のオーナメントですね。

 

大体アメリカにある場合はカナセルのことが多いのですが、このリラッカーされた状態ではわかりませんので、セルマーに出荷先を問い合わせればわかるでしょう。彫刻もついているし、ラッカー仕上げなのでカナセルの可能性が高いかと思います。

 

カナセルとブリセルの違いも金属的には結構違って、カナセルはしっかりしているのに対し、ブリセルはペラペラの鳴りが悪い感じですので、マニアの人は吹けばすぐわかるでしょう。

 

ですがこの出所がよくわからない状態で、リラッカーで買うのはかなり勇気がいるので、中々買いにくいですね?

 

オリジナルラッカーならかなり個性的で面白い楽器だったと思いますが、7000ドルはちょっと高めで中々すぐに売れていません、、、

 

ブリセルは彫刻が番台によっても出来栄えが違うので、是非この5万台の出来栄え堪能されてください!

 

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1980年頃製造 ヤマハ 激レアプロトタイプ サンボーンモデルと同じアルトサックス! YAS-6X6

今日はマニア好みの、サンボーン先生も使っていたあのモデルです!

ヤマハのプロトタイプモデルで、正確なモデル名はYAS-6X6となります。

サンボーン先生は主に80年代にこのゴールドプレート仕様を使われておりまして、シリアルは109でしたが

今回のものはラッカー仕様で102のシリアルとなります。

 

恐らくこの個体もその当時の関係者・あるいは著名プレーヤーに寄贈されたものと考えられます。

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このシリアルは102で、サンボーン先生のものが109となると、少なくとも10本くらいは存在しそうです。

 

当時の日本の状況は詳しく知らないので伝え聞いたところによると?、最初に貞夫先生が使い始めて、そしてサンボーン先生が使う流れになったそうです。

それゆえ貞夫先生の80年頃のアルバムには62系列の楽器が使われているとか???

 

62は1978年頃発売で、セルマーほどは高くないけどしっかりと作った上位モデルで、マーケット的に価格的にも品質的にもセルマーマークセブンに対抗した楽器でした。

セブンがだめすぎて?、貞夫先生やサンボーンが、リファインされたシックスとして使い始めとすれば、よく理解できる話です。

 

そのような時代の流れで、ヤマハが62をさらに進化させようとしたプロトタイプが、YAS-6X6なのでしょう。

あるいは、コストがかかるからトッププレーヤー向けだけに作った特別モデルと言ってもいいでしょう。

 

事実、ヤマハは今でもSteve WilsonやVincent Herring先生に(Steveはニュースクールで習ったので、親しみを込めて敬称略)、Zの特別版のような楽器を随分前に進呈していますが、モデル化されたことはありません。

 

 

今回のYAS-6X6も、このような流れの楽器と思われます。

62ファンにはたまらない楽器ですね! マニアな方はぜひ手に入れられてください!

 

 

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キングスーパー20 アルト 31万8千台 

即戦力のキングスーパー20アルトが売りに出されました。 31万8千台で1952年前後の楽器と思われます。

 

いわゆる第2世代のあたりで、パーカーやキャノンボールの楽器よりは少し更新されたモデルになります。

 

キングはリラッカーされたものが多く、出物もほとんどありません。

実際買ってもいいな、、と思えるこの楽器を見かけたのは3年ぶりですから(前回は30万8千を買いました)、

買える機会もマークシックスに比べると100分の1ほどです。

 

今回のものはかなりきれいで、コンディション的も極上の部類に入ります。

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この時代は、まだ比較的丸いビンテージの音が楽しめる安定しているモデルです。

低いキーの彫刻が少し無くなっているだけで仕様としてはまだまだ豪華です。

重ったるい三角キーガードもないので、さっぱりしていいですね?

35万台くらいになるとぐっと現代的になってきますが、31万ならビンテージの音色が十分に楽しめる、かつ機能的にも落ち着いてきている頃ですね。

 

音に張りが出たり優しさが消えてズバッと行く強い楽器が欲しい人はもう少し後の楽器を好みますが、扱いやすさと音色のわかりやすさでいうと、この32万行かないくらいはちょうどいいですね?

 

ここ数年キングスーパー20を探して、、と言われることが多かったのですが、マークシックスの需要よりもキングのほうが相対的には高まってきているように思います。

 

この楽器のようにきれいすぎると逆にハズレというリスクもありますが、中々買う機会が限られますので、欲しい人にはチャンスですね!

 

 

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セルマー マークシックス アルト スペア ネック 9万台 S刻印

今日は珍しいS刻印付きのマークシックスのネックです。

 

セルマーのロゴプレートの下にSがついています。

 

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この刻印はLのものもあり、Long とかShortの略? あるいはSはスペアの略ともいわれていますが、実際のところはよくわかりません。

 

私もS刻印は所持したことがないので本当に短いのかは調べたことがないのですが、写真で見る限りはあんまり短くなさそうにいつも見えます。

短いとすれば、50年代でもまだダブルリップは多かったと考えられるので、マウスピースが入りきらいのでこのような仕様のものがあるのは納得です。

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台座はもちろんのこと、ネックの青い色で9万台付近であると推測されます。

 

9万台というと、音がはっきりし始めたころの楽器で、モコモコ系を脱しつつあるあたりですね?

 

さてこのネックの使い道ですが、現行セルマーやヤマハなどにも付けられます。

付けたことがある人はお分かりかと思いますが、味の音ある音には変わりますが、総じて鳴りが悪く鈍くなったな、、、と思われることでしょう。

14万台あたりの楽器に付けても同じようなことが感じられます。

 

9万台以降の楽器に付けると、12万くらいまでは相性がいいと思いますが、それ以降は物足りなさがどうしても出てしまうので、もしつけるとするならば、9万以前の楽器に付けるとより気持ちよさが感じられるでしょう。

 

非常に珍しいSネック、、、初期シックスの所有者にはたまらないレアアイテムですね???

 

 

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アメセル アルト 7万0千1百 グリーンリラッカー

今日はアメセルアルトの7万0千台のリラッカーです。

彫刻が埋まっているなど一目でわかるリラッカーですが、マニア的には、まさか7万台の色を狙ったリラッカーか?と、オリジナルの再現を狙ったようなラッカーの色合いに感心します。

皆さんご存じの通り、この手のグリーンラッカーは、やや年代により趣向は異なるものの、5万7千前後、7万中期、11万台によく見られる個性的な楽器です。

なんだか抜けの悪い暗い音色が特徴のグリーンラッカーですが、7万0千にはこのような色は見られないものの、まさに7万中期の色でこのシリアルにマッチした色の選択が渋すぎます!

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と思ったら、このサックスの持ち主はこの楽器を1965年に購入したとのことです。

この楽器はシリアル的には、1956年あたりですから、この楽器を購入した人は中古で買ったはずです。

そして、1965年といえば、最後のグリーンラッカーが作られていた11万台あたりの年代ですね。即ち、この楽器は中古で買った人がファクトリーリラッカーをオーダーして、たまたま11万台のグリーンラッカーに当たったということが推測できます。

何とも稀有な偶然ですが、ビンテージのサウンドを損なわないという意味では、中々よかった選択肢だったことでしょう。

このように、この当時は色々なラッカーがランダムに出てきましたが、味わいのあるリラッカー品でこれはこれで面白い逸品だと思います。

 


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アメセル アルト 14万4千0百

今日は王道の14万台アルトです。14万4千というと、いわゆるサンボーン先生の好みそうなシリアルですが、それにはやはり色々条件があると思います。

鳴りの鋭さであり、反応の良さであり、キャラクターがしっかりあり、、というようなことがあると思いますが、14万中期なら何でもいいというわけではありません。

サンボーン氏と数年前も楽器を取りあった経験からすると、楽器の反応全般の良さに加え、キャラクターもしっかりあるものが好まれるようです???

さて、今回の楽器はどうでしょうか?

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非常にきれいな楽器ですね。

まず色ですが、あまりキャラクターが強い楽器ではなく、恐らく暗めというよりは、パリッと鳴ってくれながらどこか14万初期の角が取れた響きがあるでしょう。

そして、写真では不鮮明ではありますが、オリジナルのパッドらしきものもいくつか見えます。おそらくこの楽器はオーバーホールはされておらず、オリジナルのセッティングと思われますが、それにしてもキーが低いですね。

私の楽器も相当低いのですが、一般的にはソプラノ程度しか開いていないような印象で、鳴りはどちらかといえば抑え気味のはずです。それでも、かなりの音量が出るのでこの14万台は不思議ですね? 

あまり面白そうな楽器ではありませんが、癖のない14万中期が欲しい人にはいいかもしれません?

 

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ヤナギサワ アルト WO33 super20 仕様

今日はヤナギサワアルトのWO33です。33シリーズは、旧9933と同じ呼称を踏襲していて、ネックとベルがシルバーソニックのタイプの楽器、いわゆるキングス―パ20と同じ仕様になります。基本的には特注仕様ですが、海外で売られていたのでその評判も気になるところではあります。

海外でのヤナギサワアルトの評価は高く、初期は真鍮モデルがポピュラーでしたが、近年はシルバーソニック系もじわじわ浸透してきましたね?昔は、一部分のみをシルバーソニックにした楽器を多く輸出していましたが、近年は全部シルバーソニック系が多かったように思いますので、今回このような楽器が出回っていることに対しては、アメリカのマーケット用には異なる仕様の楽器を出していることを初めて知りました。

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この楽器は、ほとんど使われずにすぐに売りに出されたようです。その評判ですが、この楽器の売り出しているサイトでは、プロフェッショナル用の最上位の楽器で、太い音がして、シルバーの音色がするけど、抵抗はあるね、、、と書いてあります。

ネックならまだしも、やはりベルを銀にすると特に低い音は重く鳴るので当然かと思います。

ですが、アメリカにはパワー系の奏者は多く存在するので、今後このようなシルバーの楽器はもう少し浸透していくでしょう。

そして値段ですが、中古とはいえ50万程度です。セルマーのアルトでも新品ならもう少し高く、この間ではsupremeなら定価ベースでは倍の金額ですから、セルマーを基準と考えるならこの楽器は相当安いですね?

日本でもこういう楽器を通常のラインナップとして楽器屋さんに普通においてくれればもっと面白いと思いますが、中々リスクもあってやらない、、というのが本音でしょうか???

 

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フラセル アルト 18万4千 シルバー Low A

今日はフラセルのLowAアルトのシルバーです。

LowAアルトは主に60年代後半から多くつくられ、70年代中期までに絶滅しましたが、今回はその絶頂期の楽器です。フラセルでシルバープレート仕様で、シルバープレートはLowAとしては珍しいですね。

シルバープレートはなくはありませんが、数からいえば相当本数は少ないので売りに出されるのは10年に1度ほどしか見かけません。

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敢えて磨いていないのでくすんだままです。

F#も付いていますが、フラセルはF#付きが多いですね。

LowAアルトは、管が長いが故に相当音がモコモコしてきますが、このくすんだシルバーならさらに抜けない音がすることでしょう。

かなり珍しいですがこんな楽器欲しい人はいないだろう、、、と思っていたら、すぐに売れてしまいました。物好きな方もおられるということですね?

ちょっと個性的な楽器が欲しい人にはたまらないということでしょうか?

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BA アルト 最初期 2万1千1百 アートデコ

今日はバランストアクションアルトです。 

2万1千台になりますが、オフィシャルのシリアル表では、BAは1936年の21751番台からとなっています。

オフィシャルのシリアル表は切り替え時にについてはややラフなところがあるので、このくらいでは大きな驚きはないですが、少なくとも最初期のBAアルトということができるでしょう。

まず、この楽器の目を惹くのが、アートデコと呼ばれる線形の彫刻ですね。他にもちらほら見かけますが、中々個性的でかっこいい彫刻で珍しいですね。

さて、この楽器はオリジナルラッカーとして売られていますが、、???ですね。 この赤焼け系の色は、海の近くなどによる空気によって金属が酸化した変色と思われますが、オリジナルラッカーとして言い切るのは中々難しいです。

この時代は、オーバーホールする場合はセルマーの工場に送って、オーバーホールとリラッカーがセットでしたから、ほとんどの楽器はリラッカーされています。 オリジナルのラッカーであれば非常に珍しいのですが、彫刻部分はボロボロでリラッカーの判定には使えません。

確かにラッカーの下には模様は見えないことと、ラッカーの色がいい感じなのでオリジナル、、といいたいのはわかりますが、このくらいの精巧なリラッカーは多くありますので、疑ってかかるのがいいでしょう。

 

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見栄えやリラッカーの点はさておき、バランスの中でも初期なので、軽く丸い甘い音がするでしょう。

 

一時期は即戦力が求められフィルウッズ的なアルトが人気でしたが、ここ最近はむしろそれより古いこのような楽器の引き合いが強いですね。この楽器もあっという間に売れてしましました。

リンカーンセンターのテッドナッシュもちょっと前にアルトに戻り、アルトも古い楽器を使っていますし、このような楽器を使うことが10~20年前に比べてはばかられなくなってきたような印象を受けます。現代の大きな音のする楽器ではなく、音色や味重視で行く流れが強くなってきたとも言えます。 

 

マーケットでのこのような楽器の売れ方を見ると、少し値段が上がってくるかもしれませんね?

 

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ブリセル? マークシックス アルト 17万8千 特別注文 銅材? 

今日は珍品のフラセルマークシックス、17万8千台です。

この楽器は、香港でオーダーされ、ロンドンから香港に卸された楽器です。

この楽器にはいろいろ気になる点があるのですが、まず、その色です。 ベルの中の色は完全に銅に見えます。 他のラッカーがはがれた部分も、ヤナギサワの992のように見えますので、これはおそらく真鍮の中でも銅材といわれるものを使っているのではないかなと思います。

ちなみにヤナギサワの992(WO02)はラッカーそのものに色がついていて、剥がしてみるとこういう色よりはやや薄く、これはヤナギサワの銅材よりもさらに銅が多いようなそんな感じがします。

 

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そしてもう一つ気になるのは、彫刻がなんか違う、、、いわゆるブリティッシュ仕様の楽器となっています。 ブリセルはもっと古い時代には亜種としてカナダ周りの楽器など散見されますが、あまりこの時代はブリセルを見ることは少ないので珍しいですね。

彫刻がなんか違う、、、太い、、などとという報告が多いですが、これはまさにそのもの、、といった感じに見えます。 この鼠色のケースも特徴的ですね。 こういうケースの中期フラセルはブリセルの可能性あり、、ということで、むしろそういうところに目が行ってしまうのが悲しいところです。

恐らくかなりこだわって特注したことと思いますが、それが何故香港からなのか、ということがとても興味深いですね。 その当時からレッドブラスにこだわって作らせるとなると、シリーズ1を先取りしているわけで、これを特注した人は意外に伝説のサックスマニア、、あるいは、預言者かもしれません。

このような楽器を初めて見かけましたが、このケースを頼りにもう少し探索してみたいと思います。

 

 

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