Candy Dulferさんのサックス、楽器の選び方? その2
さて、昨日はキャンディーさんの楽器の選び方についてご紹介しました。
小生としては、非常に理にかなった部分が凝縮されて100%同意できる内容でした。
その内容を今回はマークシックスに照らし合わせて、シリアルによるマークシックスの選び方、、、という観点から述べてみたいと思います。
1) まず、小さい音と大きな音がでるということですが、要するにボリュームの幅ですね。
これに関しては、前期よりもとりわけ中後期のほうが明らかに性能がいいですから、この時点でこの観点からは13万後期以降の楽器ということになります。
2)ジャズとかロックなどの幅広いジャンルに対応する
いうまでもなく、前期の楽器がジャズのテイストに向いており、ロックなどの明るいサウンドは後期に向いています。 中間を取るなら中期ということになります。
3)”ジャズっぽいバラードが(サブトーンで)渋く吹けるか?”
これは前期の楽器に軍配があがりますが、物によっては中後期でも暗いラッカーが付いた楽器なら対応できます。 ジェラルドアルブライト氏が確か8万を使っていたと思いますが、それは相対的にキャラクター重視で選んだと思われます。
4)現代では重要な高い音が大きく鳴ることが重要
これはアルトサックスの変遷で大きな1つの課題ですが、前期のマークシックスではかなり中後期に比べ難があります。
5)”サンボーンのように(フラジオなど)高い音を入れてメロディックに吹けるか?”
これも前期に難がある課題で、前期の楽器は高い音で詰まったり抜けが悪いですね。この点でも、中後期がより優れているでしょう。
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つまり、楽器の性能では中後期が完成度が高く、渋いキャラクターのみに秀でたものが前期型のマークシックスの特徴です。
それゆえ、ジャズの人が好んで初期マークシックスを使い、その中でもなんとか上記の中後期見られる機能的に優れた特徴を兼ね備えた初期マークシックスが、初期マークシックスの中でもさらに良い楽器というイメージを持つとわかりやすいのではないでしょうか?
たとえば、高音の抜けがいい個体、、、、とか、ボリュームの幅がある個体、、、、というものを前期型マークシックスで探すと、その点では中後期には負けるけど初期マークシックス郡の中では当たりの楽器、、と言ってもらえる確立が高いでしょう。
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さらに、機能面で優れているのは中後期、、、とざっくり述べましたが、、やはりその中で上記のいい特徴をすべてを兼ね備えている確立が高いのが
14万台
ということになります。
ボリュームの幅も最も振れ幅が(特に上に)大きく、高音の反応性抜けもよく、モノによっては(14万初期中期に見られるように)キャラクターがしっかりしたものもあります。
私の経験ですが、上記の観点のすべてを兼ね備えているものが多いのは14万である場合が多いですね。
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そして最後に、、、キャンディーさんが重要なことを述べています。
2:15の辺りですが、
歌うクオリティーが重要だと述べています。
例として、オクターブキーを押したG辺りからG7mixolydianでリズムをつけて動いたりしていますが、そこで、、Singing 、、、音を出したら終わりじゃなくって、その後に音自身が生命を持って残り、プレーヤーにとって個性的なサウンドを生み出せることが重要、、、と述べています。
非常に同感です。
私にとっては、機能を兼ね備えた14万台を選ぶ最も重要なポイントで、いくら大きな音がでてキャラクターがあっても、歌うクオリティーが出せるかどうかが重要です。
私が今まで試した(恐らく50本くらい?)の14万台で機能的にいい楽器も多数ありましたが、最終的に本当にいい楽器は、キャンディーさんのいうSinging Qualityがあった楽器ののように思います。
なので、14万の中でもここまでそろった楽器というのがやはりプレーヤーに愛される14万台の中の14万台なんだと思います。
もちろんそれは14万以外の中後期にもあって然るべきですので、それ以外を否定するものではありません。
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何気ないインタビューですが、いろいろなことが凝縮されている非常にいいインタビューのように思います。
私なりに解釈して、マークシックスで14万台が愛される理由にまで踏み込んでみましたが、皆様の楽器選びの助けになれば幸いです。
www.tomosax.net
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