フラセル テナー 7万4千2百
今日はフラセルテナーの7万台です。
アメセルばかりが語られる世の中ですが、フラセルもアメセル同様に色々なバラエティーに富んでいます。
アメリカの楽器屋さんに聞くと、今まで扱った中で最もいい楽器はほとんどフラセルだった、、、と言うひともいるくらいです。
その大きな違いは材質とラッカーにあります。
もちろん、接着剤が、、、、とか、、そういうこともあるとは思いますが、材質というのはかなり決定的な違いです。
以下の写真のラッカーがはがれた部分を見ていただければ分かると思いますが、不純物があまり入っていないですよね。
アメセルだとシミみたいなものが結構あるのですが、フラセルはアメセルに比べると圧倒的にそういうものが少なく、また、、、、重さも随分違うものです、、、
なるほど、、、
このフラセルには非常に濃い色のラッカーがついていますね。
フラセルとしてはかなり暗い音がするでしょうし、ジャズでもバリバリ使えると思います。
アメセルよりは肉厚な感じで、音色も乾いた感じというよりはしっとりした感じがあるでしょう。
私は、こういう楽器のほうが艶やかでいい音がするように感じるので、ジャズをする方にもこういう楽器は是非お勧めしたいところです。
www.tomosax.com
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コメント
tomo様
いつも更新を楽しみにしています。
フラセルに使われる金属は不純物が少ないというのはよく聞きますが、
その点では現行の楽器も変わらないのではと思ってしまうのですが、
音質の違いはどこで生まれるのでしょう?
混ぜる金属の割合や産出地の違いでしょうか?
ご教授よろしくお願いいたします!
投稿: u-hey | 2012年5月12日 (土) 01時34分
ご質問ありがとうございます。
不純物が少ないというのは、アメセルとフラセルが同じ炉で作られたにもかかわらず、、、何故このような違いが出てくるのか???
ということであり、、現代のものとこの当時のものでは材料が違うので、現代のものを比較するのは別の話になります。
当時のものは材料が良かったこともあるのに加えて、フラセル、アメセル、、、共に組成が一本ずつかなり違う、、、ようです。
あるものは銅が多かったり、あるものはニッケルが多かったり、、、と、バラバラなのです。その上で、フラセルは比重が重く、、また、アメセルには、混ざり方が雑で、不純物的なものが表面にも見える、、、という特徴が多く見て取れます。
それで、何故現代のものと違うか、、という視点にうつると、、、
まず、材料が当時のものと違うと思います。 ヤナギサワの人がいうには、山が違う、、昔はアメリカの銅で今はチリが主流、、、、と言っていたような???
そういう材料の違いや板の(非均一な雑な?)作り方の工程で、もう昔のような感じにはできない、、、ということなんでしょう。
投稿: tomo | 2012年5月13日 (日) 10時49分
解説ありがとうございます。
とても参考になりましま。
投稿: u-hey | 2012年5月13日 (日) 19時38分
解説ありがとうございます。
とても参考になりました。
投稿: u-hey | 2012年5月13日 (日) 19時38分
たいへんご無沙汰しております。
1970年辺りから、日本も主要市場になるまではSelmer社の主戦場はアメリカであり、1945年から1967年までの間に作られたサックスはほとんどがアメリカ輸出向け、すなわちアメセルでした。
この年代のフラセルは、ほぼすべて受注生産品です。ですから、特殊なキーや彫刻、仕上げのものが多く、ケースもバラバラなのです。一般のフランス人はいまでも全くサックスを吹きません。
フラセルの方が、いいものが多いというのは、受注を受けてから作るので、管体も部品も良いものをピックアップして組み立てたからではないでしょうか?
私は状態のいいフラセル五桁、特にSBAは常に買いです。
思い返せば、7年ぐらい前に大久保で試奏した9万番台降フラセルアルトが、アルトの中では最高でした。いまも悔やまれます。
なお、彫刻なしのシルバープレートは、シルバーの楽器で統一されたイギリス式のいわゆる「ブラスバンド」用に、イギリス、オーストラリア、カナダに輸出をされたものなので、汎用品です。
フラセルの受注品は必ず例の、円形の彫刻が入っています。
そのような訳で、アメセルの彫刻が入っている5桁のシルバーは、後彫りの汎用品の可能性が高いですね。吹いて確認すればすぐ分かると思います。
今、アップされているフラセルテナーのハイFシャープ付きののSBA
、あれは最高の楽器だと思います。資金があったら本当に買いたいところです。
投稿: csaka | 2012年5月13日 (日) 20時54分
csaka様
なるほど、それは面白い話ですね。
コメントありがとうございました。
投稿: tomo | 2012年5月13日 (日) 22時45分