Rascher マウスピース
今日はSigurd Rascherマウスピースです。
Rascherさんは、ドイツ生まれのアメリカのサックスの人で、主に50年代にNYフィルとの共演などクラシックなサックスの分野で活躍された方です。
惜しくも10年ほど前に亡くなられましたが、ビュッシャーとの係わり合いや、オーバートーンの教則本で有名な方です。
さて、、そのRascherさんが自分のマウスピースを出していました。
クラシック用のマウスピースですが、、その彼のホームページで非常に興味深い記述がありました。
http://www.raschermouthpieces.com/message.html
The facing of a mouthpiece can be changed to favor most aspects of playing, such as high register,low register, brilliance, volume, easy response, etc. But any such favor
must be bought with a proportionate decrease in some other characteristic.
This tends to produce an unbalanced tone quality.
マウスピースのフェイシングは、高音域、低音域、明るさ、音量、反応などの好みで如何様にも変えることができる。 しかし、あるキャラクターだけを強調すれば、それに応じて、他のキャラクターが損なわれていく。 これによって、音色のバランスが損なわれる傾向にある。
And because experiments on mouthpieces during the last few decades were aimed at
increased brilliance and certain “edge” in the tone, the main loser in the
bargain was the tone’s expressive beauty.
過去数十年(おそらくその当時のことと思われる)では音の明るさや”エッジ”をマウスピースに求めているが、音の美しさが大きく損なわれる結果となっている。
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つまり、、完璧なマウスピースなどないのです。
どこかをとれば、どこかがへこむ仕組みなのですから、あとはバランスの問題になります。
最近のマウスピースの傾向を見れば、、、(フェイシングを変えて)吹きやすいだけで、バキバキいうだけで、、、いい音がしないマウスピースが多いですよね。
吹きやすさをとれば、、、ある程度は、音の美しさが失われる、、、わけです。
つまり、吹きやすければいいというわけでない、、、わけです。
さらにいえば、、、いい音を出すためには、吹きにくさということも相対的には残るはずなのです。
皆さんはこんな経験ありませんか、、???
吹きやすいんだけど、、、、ぱっとしないな、、、、つまんないな、、、、なんかイマイチだな、、、
そう、それはあなたの耳が、吹きやすさをとる事によって、凹んでしまった音のバランスを聞き取っているのかもしれません、、、
自分の耳を信じることはいいことです。
そして最後にヤナギサワのS氏の言葉を、、、
『いくらでもバキバキ明るくはできっけど、、いい音しないからなあ、、、、もうそういうのはやめた、、、、』
皆さんのマウスピースは、吹きやすさと、いい音バランスは取れていますか???
www.tomosax.com
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